1999年10月15日

■ 上を向いて歩こう

小さな歩み

ベンチャー企業は基本的に資金不足です。

設立時は、なんとか1,000万円かき集めて立ち上がりますが、すぐに資金が足らなくなるので、国民金融公庫に相談にいきます。無担保限度枠いっぱいまで借りて、売掛金が入金されるまでしのぎます。ここが一般的な最初の山です。

なんとか乗り切って、徐々に仕事も増えてくると、経費や仕入も増えるので、売上増加とともに、メインバンクからの融資を受ける時期がきます。一般の銀行借入の場合は、有保証人、有担保が基本ですから、色々画策しても借入の限界はすぐにやってきます。しかし、メインバンクとも信頼関係ができ、優良なお客様に恵まれれば、安定飛行といえる状態には3年程度で成長できます。

おぉ、まさしく今の僕等の会社のことです。銀行借入の残高は、やっと減っていく方向になりました。お客様も順調に増え、売上も増加傾向です。このレベルでとどまるのであれば、あまり無理をせず、社員もそこそこに暮らしていけるに違いありません。
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利益体質への変換

しかし、常に安定した利益を生み出せる体質かというと、決してそんな甘い物ではありません。

やりかけの仕事が飛んでしまう、予定の仕事が延期される、やった仕事の入金がない、等の予想外の事態は、年間にいくつかは起きるのです。そういう事態へどれだけ柔軟に対処できるか?これは、企業体力、売上規模に綺麗に正比例します。

やはり、より安定した企業基盤へステップアップするためには、規模の拡大を図らなければなりません。僕等の仕事は労働集約型なので、規模の拡大は、すなわち社員数の増加です。もともと何百人という社員数を目指しているわけではありませんが、10人が15人へ、20人へという拡大は、大変インパクトが強いのです。要は、資金が必要なわけで、仕事はあるのに人がいない、人を必要とするのに金がない、という悪循環に陥らないためにも、この状態から脱皮を図らねばなりません。
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間接金融の限界

じゃあ、また銀行借入か。。。しかし、銀行側はさらなる担保差し入れでもしない限り、融資枠は広げませんし、たとえ借入できたとしても、大きくステップアップするための投資として利用するには、なかなかふんぎりがつかないのが現状です。間接金融には限界があります。

もうひとつの資金調達方法として、直接金融、つまり増資があります。単純に考えれば株式公開です。しかし、これまでの市場基準を満たすまでの道は、はてしないものがありました。一方、知人、友人、取引先等への縁故増資をしても、付け焼き刃で終わる可能性が高いです。

僕等にとっての10年後は、想像できません。しかし、3年後5年後にどこを走っているのか?ということは、ある程度描けなければ、社員の生活設計すらできないことになります。その目標が、おぼろげにでも見えるということは、今の僕等には大変重要なことなのです。
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上を向いて歩こうゼ!

そんな状況の中、ナスダックジャパンやマザーズの話が、かなり現実的なものとして登場してきました!これはもしかして、
僕等の目標として設定可能なのではないか?!

インターネット技術も勿論ですが、それよりも重要なデータベースの設計技術、企業の根幹を支える情報システムを構築する技術を、僕等は既に持っています。インターネットはあくまで情報伝達の基盤であり、中身(コンテンツ)がなければ意味はありません。僕等はそのコンテンツそのものを構築する技術をもっているのです。見た目は地味ですが、永劫になくてはならないものだと考えています。

ナスダックジャパンの公開基準はまだ明確ではないので、なんともいえませんが、売上の桁を従来なら、1桁上げなければならなかったものが、たぶん大台変わらなくても何倍かのレベルで、基準をクリアできるように設定するのではないか、と期待しています。僕等の会社が僕等自身の会社のままで株式を公開する!僕等の近未来の目標として、「上を向けば、手が届くところに、その星はある!」を掲げられる日は近いのかも!

Posted by smiths at 15:08 | Comments [0] | Trackbacks [0]

1999年04月20日

■ ボーダレスの時代

業種の垣根

最近急速にWEB構築案件が増えてきました。それとともに僕等にとってもデザイニング能力が不可欠となってきています。自社内でデザイナーを囲うわけにもいかないので、優秀なデザイン事務所と共同作業をやっています。一方、デザイン事務所のかたに話を聞くと、単なるデザインだけではなくて、システム設定やプログラミングやデータベースアクセスの要件が沢山でてきているそうです。こんな状況から、ソフトハウスやデザイン事務所あるいは、印刷業、出版業、広告業あたりまで、もう垣根はなくなりつつあります。それぞれの専門集団がうまくコワークしてプロジェクトを推進する時代になってきています。でも、この手の音頭をとるのは、きっと広告代理店なのではないかと思いますけど...

小さくても一芸に秀でている会社は、仕事のターゲットがこれまでの枠を越えて広がっていくに違いありません。
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男女の垣根

男女の垣根も、僕等の世界の中では、既になくなっています。体力や労働時間や出産・結婚なんていう話で、男女の仕事を語るのはナンセンスな話です。僕等の会社では、いわゆる事務職的仕事は、全部私(社長)が担当してますので、一緒に働いている女性は、その他男性とまったく同様な技術職です。個々の技術だけの世界です。結果として、できあがるシステムの優劣には、男女の差はなく、技術力の差だけです。非常に論理的で整然としたシステムを構築する能力は、女性の方が秀でているのではないか、と思っています。私から見ると大変貴重な戦力なのです。子育ての責任は父母同じです。サム氏も語っています。女性も生涯仕事をすべき時代です。
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社内の垣根

経営陣と社員の関係も変わって行かざるを得ないでしょう。社員が会社に何を求めているのか、何を期待するのか、最後の砦は何なのか、これも時代と共に変化するからです。オーナー社長に頭が上がらない大企業が、次々とおかしくなってきています。優秀な人間が会社に対して無気力になり、会社を去っていくそうです。社員が薄情なのではなくて、自分の能力に自信を持つようになったのです。自分の幸せは自分でつかみ取る時代です。くだらない社内ネゴに貴重な人生の一部分でも無駄にしたくはないのです。
根本的な原因は、縦のラインが機能しなくなったということでしょう。極論ですが、経営者と1社員が常に向かい合えるような環境にすべきではないかと思います。リアルな現状を経営者が把握できなければ、時代の変化は読みとれないでしょうし、オーナー経営者の「天性の勘」についていく人間は、よっぽどの変わり者か、自分で考えることのできない人間です。これは、大企業では不可能な話です。しかし、より近い形にすることは可能なのではないかと思います。ヒエラルキーとセクショナリズムを排除すれば良いのです。
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ボーダレスな時代には小さな会社

少ない社員でも、社員それぞれが技術を切磋琢磨していける会社であれば、これからの時代を生き抜いていけるのではないかと考えています。「ボリューム」の時代はバブルとともに消え去りました。様々な垣根を越えて、サービスの範囲を広げることが大事なことだと思います。看板も肩書きも系列も必要ありません。そんなものも朝令暮改するご時世です。変化しながら強くなる、そんな会社が生き残ります。「お客様にとって良いモノ」を提供できればいいと思いますし、お客様も、それを選択する時代なのだと信じています。

Posted by smiths at 18:28 | Comments [0] | Trackbacks [0]

1999年03月12日

■ 団塊親子の狭間で

団塊親子のはざまで
「個人主義」という言葉は、団塊の世代にとっては、悪しき言葉であり、和を尊び会社に奉仕する精神があればこそ、会社が繁栄し、会社が繁栄すれば、社員も幸せである。これは極々自然な論理展開でしょう。

一方、彼らの子供である団塊ジュニア世代にとっては、会社に奉仕するなんていう日本語は理解できません。基本的に自分中心であり、自分を犠牲にしてまで会社のために働くなんて、ウザッタイ!の一言なのです。しかし、それがゆえ非常に個性的で才能あふれる人間を輩出する土壌ができあがりつつあるともいえます。団塊の世代から見れば、ただのわがままな大人子供にしか見えないかもしれませが...

昭和30年代後半生まれの僕の世代は、その中間で、とても中途半端な世代です。どちらも理解できるし、どちらにも賛同しかねます。現実のビジネスの現場では、「団塊の心」がまず第一に必要ですし、若き社員に対しては、なぜウザッタイのかを理解してやらねば仕事を進めることができません。
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新しい組織体

そういう相反した中で、ビジネスを成功させ、社員全員が健やかな生活を営めるようにするためには、その中間の存在である35歳前後の僕等の世代が、実は適任なのだと思います。僕がこの会社を運営するにあたってのビジョンは、「徹底した個人主義と緩やかな和」であります。個人主義というのは、決して自分勝手にすれば良いという意味ではなく、自分の高い能力を遠慮なく高く売ること、これは高い能力をそれぞれが保持していなければ成り立ちません。会社は、その高い能力に相応した高い報酬を支払うある種の組織体であり、絶対神ではありません。

この組織体は、コミュニティという言葉に最もイメージが近いような気がしています。ビジネスの成立には、会社というものがなければ難しいのが現実ですから、会社は必要です。しかし、会社は、個人の能力を発揮するための基盤であって、個人は会社に従属するものではありません。

才能ある個人の集まりの総称と位置づけます。
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トリプルクリーンアップ?

会社が個人の活躍する基盤とするならば、会社はフィールドです。そう考えると、プロ野球チームという感じもしてきました。
メンバーそれぞれが高い能力を持てば、クリーンアップトリオが3つ並ぶようなオーダーが組めます。どこからでも点が取れる打線です。チームが会社であり、チームは、能力の高い選手にそれに見合った報酬を提示します。会社でも同様です。チームの勝利は会社の利益ですし、個人成績が良くてもチームが負ければ、気持ちは冴えません。しかし、個人への報酬は個人の能力と結果に比例すべきです。選手それぞれが健康で高い能力を保持していなければ、チームが成り立たないのと同じように会社も成り立たないはずなのです。
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縦よりも横。水平的組織。

技術力やコミュニケーション能力が最も重要であり、指導者やリーダは必要ですが、命令系統は基本的に必要ありません。

ピラミッド型の積み上げではなく、水面に波紋が広がるように、水平に大きく広がることを考えています。波紋の中心がたくさんできれば、その面積は更に広がります。そういうコミュニティの成長を想定しているのです。能力や人望のある人間は年齢に関係なく、新しい波紋の中心になれば良いのです。
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だからこそ少数精鋭

こういうビジョンを持つがため、社員にはそれ相応の心構えが必須です。自由を自覚しつつビジネスマインドを持つ人間でなければ、この会社ではやっていけません。ということで、なかなかプロパー社員が増やせません。しかし、この敷居だけは低くできないのです。なぜなら、バブルの再来はあり得ないからです。ソフトウェア開発業は、労働集約型産業なので、人の数に比例して、売上金額が大きくなりますが、「誰でもSE!」の時代は二度と戻らないのです。
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伸びるものは伸び、沈むモノは沈む時代

不景気の中でも伸びる会社は確かに存在します。そういう会社が牽引車になり景気が回復したとしても、今沈む会社まで浮かび上がるか?というと決してそんなことはないと思います。伸びる会社だけがトコトン伸びる時代なのです。

回りに支えられ、楽して暮らせる時代、漫然と仕事をしても許される時代は、終わりました。

厳しく自分自身を見つめる人間の集団が必要だと思います。

Posted by smiths at 18:37 | Comments [0] | Trackbacks [0]

1999年02月02日

■ クラサバは死んだか?

クラサバは死んだか

クライアントサーバシステムの一番の問題点は、クライアントとサーバ間でのデータ通信ボリュームの大きさです。初期段階の2階層型クラサバシステムは、最低でも10MbpsのLAN程度の帯域幅が必要です。今やLANの帯域幅は100Mbpsがあたりまえとなりましたが、あくまでLAN内での話です。

一時期マイクロソフト主導型の3階層型システムが話題になった時期がありました。しかし、このシステム構成はアプリケーションロジック部分を別立てのサーバあるいは、論理構造を別階層に配置するというものだったので、保守性には多少の進歩がありましたが、通信レスポンスに関しては、以前とほとんど変わりませんでした。逆に安定したシステム構成が組ずらくなり、ほとんど現実的なソリューションとはなり得ませんでした。

あとは、LANにせよWANにせよ物理的な技術革新により、帯域幅の拡張を期待するしかなかったのです。つまり、LANからWANへ利用形態が拡大していく中で、利用に耐えうるシステムの構築方法としてのクラサバシステムは技術の限界に至ってしまいました。
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イントラネットは死んだか?

そうした中、脚光を浴びはじめたのが、インターネットブラウザをクライアント側のシェルとして業務システムを稼働させるイントラネット型のシステム形態です。低帯域幅での利用を前提としたインターネットブラウザで稼働させることができれば、
従来のクラサバシステムより快適な利用感を生み出すシステムを提供することができます。また、クライアント側はブラウザが動けば基本的に何でも利用できるし、アプリケーションはサーバ側の保守で良くなるなど結構な利点があります。

しかし、前提はWWWサーバ間との通信であり、業務システムで必要なRDBとの通信を安定して供給することの難しさや、htmlでの表現能力の限界という問題があり、できたとしても案外チャチなシステムとして運用せざる得ないのが実状です。また、RDBの検索時間についても帯域幅の減少に伴って極端に遅くなるのは、クラサバ型と基本的には変わりません。
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ジャヴァは死んだか?

というようなhtmlの表現能力の限界を突き破ったり、より安定したRDBとの通信環境の提供といったカッコ良いうたい文句で
さっそうと登場したのが、ジャヴァです。(日本語読みは、ジャバかな?)よりオブジェクト指向が高まり、必要なジャバコンポーネントを組み合わせることで、ニーズに応じたシステムがより簡単に、より保守性に優れたモノが作れますぜ!なんていうので、昨年夏までは、僕等もこっちの方向でいろいろ考えていました。しかし、ジャバは遅い!!の一言。どーしようもありませんね。コレは!マイクロソフトのActiveXコンポーネントでも基本的には一緒です。また、ジャバはジャバでもローカルジャバが沢山あるし、機種によって動作するバージョンが違うし、ブラウザによっても違うし、イントラネットの利点であったサーバ集中保守なんて、現実は不可能で、クライアントを1台1台設定していかなければならないのです。面倒もずっとみてやらなきゃいけません。

インターネット上で、ジャバアプレットをホームページのトップページにおいてあるようなサイトを開くと、全貌が表示されるまでに異様に時間がかかってしまいますよね。全部表示される前に、そのサイトを離れてしまいますが...要は、そういう状態のものを業務システムに適用できるハズがありません。ジャバが業界で統一されて本当に軽く動作するアプレットが次々に開発される!という淡い期待もありましたが、期待する方が間違いと気がつきました。10年後にはなんとかなっているかもしれませんけどね...
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どこへ行く?

さすれば、根本的に発想を変えるしか、現状を打破する方法はなかったのです。

つまりクライアントのダム端末化!です。僕等もこれは盲点でした。ダム端末=エミュレータという概念しか持ち得なかったのです。しかし、ホストコンピュータのエミュレータではなく、NTサーバのエミュレータができれば、GUIの窓を開けることができたのです。これを実現するためにはNTサーバ自体が、ホストコンピュータと同じようにマルチユーザ・マルチセッションを行えなければいけません。これまでのNTサーバにはこの機能はありませんでした。

シトリックス社が開発したWinFrameという製品ではじめて、マルチユーザ機能が実現できたのです。そのWinFrameという製品は、マルチユーザ機能を実現するサーバ部分が、マイクロソフトのWindowsNT Terminal Server Editionと名を変えて登場し、アドオン機能と通信プログラム部分が、シトリックス社のCitrix Presentation Serverとしてリニューアルされて登場したのです。あとは、ターミナルエディションとシトリックスの独壇場です。

クライアントとサーバ間の通信は、マウスとキーボードと画面遷移の情報のみ!SQL分も流れなきゃ、データも流れない!ここまで追求すれば、これまでの様々な問題が解決でき、本格的なWAN環境で、本当に快適に利用できる業務システムの構築が可能となるのです。

まず間違いないでしょう。

Posted by smiths at 18:43 | Comments [0] | Trackbacks [0]