2003年10月28日
■ クワガタ建設は干されるか?
潔 癖 は 社 会 不 適 合
クワガタ建設というのは、一時期週刊モーニング誌に連載されていた「どうだ貫一」真刈信二作に登場する主人公が勤めている会社です。談合を良しとせず、潔癖なやり方で、周りの雑音も聞かず突き進む主人公は、経営者から嫌われ、その会社も談合首謀から圧力をかけられ、倒産しそうになりますが、最後は、主人公のからだを張った潔癖さに、悪者達も屈してしまう。あ~やれやれ。。。というストーリーでした。基本的には、業界の習わしに反抗する潔癖者は、社会不適格者であり、つぶされ干される運命にあるわけで、マンガならではの、ハッピーエンドでした。
顧 客 の 利 益 が 問 題
談合しようが、しまいが、結局最終顧客の利益が確保されれば良いのであり、談合の結果、高くて質の悪い仕事がまかり通ることが問題なのです。そのような「顧客の目」を失っている業種や業界、企業は、どんどん淘汰されています。「顧客の目」とは自らが顧客になって始めて理解し、実感するものであり、自社の都合、自社の理論を押し通すやりかたこそが、社会不適格となりつつあります。そういう意味では世の中もだいぶ変わってきているのかもしれません。
歴 史 浅 い I T 業 界
IT業界は歴史が浅いためか、形にはめて仕事をしようとする傾向が、かなり強い業界だと言えます。本質的に技術進歩のサイクルが速い業界であるにもかかわらず、特定製品ありきで考えたり、自社手法を確立しようといったような方向に進みがちです。たとえば、今後のシステム開発はすべてJavaで行うといったことを決めてしまうこと等は、一見管理がしやすく資源を集中できそうな気がしますが、根本的な技術革新の享受を自ら拒否しているようなものです。そもそもコンピュータシステムに形はなく、その価値は、それぞれの顧客が実感すること以外には図り得ないのですから、とあるところで成功した形が、同じように別なところで成功すると考えるのは、非常に短絡的発想です。どちらかというと、顧客の本当の意向よりも、自分の成功体験を押しつけることが、重要であり正しいことだと思っているのではないか?と感じることすらままある業界です。そのようなやり方でも、受注が可能なのは、顧客の選択の目が曇っているというよりも、コンペをやってもすべての企業が同じスタンスであれば、その中から選ばざるを得ないからです。その結果泣きを見ている顧客がたくさん存在していることは言うまでもありません。最近は、そのような動かないコンピュータの話題が少しずつ表沙汰になって来ている傾向はありますが、基本的には、事を荒立てることは、顧客とてやりたくないわけで、結局泣き寝入りパターンとなります。
顧 客 の た め に
そんな中、形や手法にこだわらず、顧客のために、獅子奮迅する会社が現れたらどうでしょう?
自社の都合の前に顧客の意向を本当に尊重する会社が現れたらどうでしょう?
当然のように顧客に受け入れられるはずです。顧客からはこれまでのコンピュータ業者とは明らかに違って見えるはずです。しかし、同業他社に対しては、完全に反旗を翻すことになります。それは自らの身を案じざるを得ない状況だとも感じられます。
でも、よくよく考えてみれば、この業界を牛耳っている寡占企業は存在しないし、そもそも談合ができるほど成熟してもいないのです。系列はあるでしょうが、顧客側はそれほど重要と感じてはいません。潔癖であってもクワガタ建設のように、干されることはないでしょう。顧客は、いつでも、より高い技術を持ち、リーズナブルな価格で、自分達の視点を共有できるシステム構築会社を探し求めているのです。そういう会社がたくさん登場してこなければ、良いシステムをたくさん生み出すことはできません。閉塞したこの業界を立て直すために、立ち上がるのは今なのだ!と思うのです。
2003年09月16日
■ 自転車SI構想
改 め て 、 シ ス テ ム 開 発 と は 、
企業のコンピュータシステムは、常に生き続けなければいけません。
業務分析、業務改善に始まり、設計、開発、テスト、ネットワーク構築、そして運用、改善、更に次期システムの構想と、5年から10年のサイクルで企業の業務システムは脱皮していくことになります。なぜなら、機能追加や事業形態の変化に、当初の設計思想では十分に対応できなくなるからです。そして、次期システムの構想は、現在のシステムを設計した会社が行うことが一番効率的で安全であることは明白です。システムを切り換えるたびに、まったく違う会社に依頼することは、ユーザ企業にとって大きなリスクと大きな無駄があります。本当に「生き続ける」システムを維持、発展させていくためには、顧客企業と腰を据えて長くおつきあいができるシステム開発業者が必要になります。
そ れ が な か な か で き な い 理 由
しかし、現在のコンピュータ業者に満足されているユーザ企業は非常に数少ないのが現実です。それは、担当者が変わる、担当者のサービスレベルが低下する、新しい改善提案がない、等々よく耳にする話ですが、それよりも以前の問題として、当初計画したシステムが未だ完全に稼働しない、想定した効果が現れていないというユーザも多くあるのです。それはなぜか?・・・その根本原因は、現在のシステム開発業者のほとんどが、コンピュータハードウェアメーカーの方法論の流れを踏襲していることにあると考えられます。つまり、製造業的な発想でシステムを開発しようとしていることが原因なのではないかと。設計図を書き、その通りに開発し、収めた後は、受け身のアフターフォロー、そして、手離れが良いことを最善と考える。そして同業他社へ横展開しようとする。このやりかたは、本当に顧客にとっての「生き続ける」システムの構築に当てはまるのでしょうか?
シ ス テ ム は 機 械 で は な く 、 こ と さ ら 人 間 系
コンピュータシステムが完全な「完成品」として捉えられるならば、製造業的な発想で顧客満足を得ることも可能でしょう。テレビや洗濯機の様にです。しかし、企業のコンピュータシステムが「完成品」であることはあり得ません。常に変化を伴うのは、社会情勢や企業戦略や、企業に勤める社員が変化する限り当たり前です。そして、たとえ同業者であっても企業が違えば前述の要素も違うわけですから、他社で作成した業務ロジックが簡単に適用できることもありません。そしてもうひとつ、コンピュータシステムというと、デジタルの象徴のようなイメージがありますが、本当はその対局にあると言っても過言ではないくらい人間的なもの、アナログなものなのです。コンピュータシステムに合わせて企業を立ち上げるような希な場合以外は、そこには様々な思惑や人間関係が絡み合い、綺麗事では済まない様々な問題が発生します。これが当たり前なのです。仕様変更や様々なマーフィーに立ち向かいながら、期限に合わせて、有益なシステムを立ち上げる、そして新たなスタートを切る。これは、絵に描いたように簡単な仕事ではあり得ません。
で あ れ ば 、 開 き 直 ろ う !
これが、僕らの結論であれば、後は開き直るしかないのです。ユーザの中にしっかり入り込んで、システム関連だけではなく、人間関係や企業戦略まで理解し、ユーザと共通の目的としてコンピュータシステムを構築し、発展させて行く。そのためには、手離れが良いとか、そんな言葉は僕らの辞書から削除し、一生涯ユーザとおつきあいをする決意を持とう!それでなければ成り立たない!ということで、僕らのシステム開発顧客は、物理的に近くであることが必要条件です。故に「自転車で行ける範囲」であり、それは、半径10キロ以内、車だと確実に30分以内に飛んでいけるところに限定するということです。もちろん多少の例外はありますが、この距離こそが、常に顧客を肌で感じられる条件であり、顧客から見ると、僕らが逃げ隠れのできない距離とも言えます。それは悪い意味ではなく信頼感を生み出す大きな要因となります。
顧 客 の 視 点
この意識は、あくまで大前提であり、具体的にシステムを構築するためには、しっかりとしたシステム分析に対する方法論と信念、その時代に応じた最適な技術の発掘と検証、長期間に渡るプロジェクトマネージメント等々の能力が必要であることはいうまでもありません。僕らの基本的なスタンスは常に中立であり、顧客の立場で考えることであり、ERPを使えばなんでもOKであるとか、Javaを使わねばならないとか、そういう現実離れした決め事を行わず、それぞれの顧客にとって最適なものは何かという視点のみで考えます。僕らが長くサポートしているシトリックスにしても、それが様々な顧客状況に対して有益であり続けているために取り扱っているのであり、システムインテグレーションの中でシトリックス単独では回避できないボトルネックが発生すれば、自社でデルバイのような解決案を策定してでもシトリックスのメリットを活かす工夫をする。それはシステムインテグレータとして自然なスタイルであるわけです。勉強する能力、探す能力、検証する能力、開発する能力、様々な能力を結集しなければ、僕らの理想とするシステム開発は実行できないので、相当にきつく、つらいこともままありますが、それゆえに、おもしろく一生をかけてやれる仕事だと考えています。

企 業 戦 略
現在、僕らの(自転車範囲の条件に当てはまる)システム開発顧客は、数社ほどです。福岡市近郊でこの条件に合う顧客企業は50社~100社だと思われます。見方によっては、このマーケットは小さいと思われるかたも多いでしょう。しかし、僕らのシステム開発姿勢では、1社追加によるインパクトは決して小さくはありません。それにも増して、重要なことは、様々なことを学び、成長することができるということです。このことこそ僕らの源泉であり基軸である理由です。「中堅ユーザ企業をしっかりとサポートし、顧客の発展とともに僕らも成長する」という僕らの思いを果たすための事業そのものといえます。
ス ピ リ ッ ト
ところが、自社製品の拡販やシトリックスコンサルティングの全国展開を本格的に開始すると、遠隔地の顧客でもシトリックスだけではなく、その中で動く業務システムの開発を行うような流れが出てきました。システム開発の成功は「物理的な距離」の近さにあるという考え方からすると、遠隔地顧客のシステム開発を受託すべきではないとなるのですが、物理的な距離を乗り越えて僕らに期待をしていただける顧客の声を断るわけにはいけません。要は、物理的な距離とは、すなわち顧客との実質的な距離であり、たとえ顧客の隣に住んでいても心が通じ合わなければ実質的な距離は地球の裏側くらい遠いこともあり得ます。逆に言えば、通信手段を活用して実質的な距離を短縮することは可能です。そのスピリットを失わなければ1,000キロ先でも、僕らの理想とするシステム開発は可能!?そろそろ、そのタイミングでもあるような気がします。