事例紹介 大英産業株式会社様
社史をメタバース空間に再現。
場所・肩書・年齢の壁を飛び越えたコミュニケーションツールとして活用。
事例の概要
メタバース利用イメージ
DAIEI Metaverse内
社史展示エリア入口の様子
DAIEI Metaverse内
ホールエリアを利用した不動産業界研究会の様子
アバターデザイン
事例の詳細
お客様の声
経営企画本部 情報戦略課 課長 兼 人財開発課 新卒採用担当
白石 貴之 氏
新たなコミュニティとコミュニケーション機会の創出に向けた
メタバースの可能性に対する期待
——メタバースを導入しようと検討を始められた背景は?
コロナ渦に物理的な移動が制限されて、社内のコミュニケーションを取る機会がどうしても減ってきていたので、バーチャルオフィスを導入した時期があったのですが、コロナが落ち着いて利用頻度も下がったので解約したんですよね。
その時にメタバースの可能性みたいなものを少し実感したので、自社でもずっと活用したいという想いがありました。
当社は事業としてマンションや一戸建など不動産の企画・販売をしていますが、私の部門方針としてデジタル技術を使って新たなコミュニティーやコミュニケーション機会を作り、価値を創造する取り組みをしたいと考えていました。
そこで、アイデアを出しながら色々調べていくと、丁度メタバースも熱い時期だったこともあり相性が良さそうだなと。
2022年の10月から55周年を迎えるタイミングで経営体制も変わり3代目の社長になったことで、これまでのお客様に感謝を伝えながら、「これから当社はこんなことやっていくよ」ということを表現したいという想いが経営陣にあったので、まずその入り口として作成中の「社史」をメタバースでも作ろうということを考えました。
従来、社史は本なので見られる方も限られますし、なかなか当社の想いや伝えたいことを多くの人に伝えることが難しかったのですが、デジタルで大英産業の「これまで」と「現在」と「これから」を作り、ステークホルダーと一緒に体験するという空間を作れば、従来のコミュニケーションツールよりも、他者との共通体験を非常に促進しやすく、関係作りにおける距離の影響を少なくする効果が期待できるのではないかと思ったわけです。
——そこで当社にお声がけいただいたと?
色々と検討している中で、たまたまピー・ビーシステムズさんにメタバース事業部が発足されると聞きまして。
当時、福証に上場したタイミングが当社と同じぐらいだったこともあり、「ちょっと相談してみましょうか?」ということで問い合わせをさせてもらいました。
2022年8月31日 相互協力合意時の様子
(写真 右:現 代表取締役社長 一ノ瀬 謙二 氏)
——当社を選んでいただいた理由は?
やはり大きな取り組みをする時にその後の展開を考えると、縁もゆかりもない企業さんと協力するよりは「地元の福岡で」とか「何か新しいことを」と考えると、非常に良いパートナーじゃないかな?と思った外側の理由が1つと。
やり取りをさせてもらっている中で、なんというか、こちらの馬鹿な話にも同じぐらいのテンションで乗ってくれて。
同じ目線でかつ、専門的な知識や能力がある方にパートナーになっていただけると、より私たちが考えているメタバースの実現に近づくんじゃないかな?と思ったところですね。
頻繁な意見交換で
理想のメタバース空間の実現へ
——ゼロからのデザイン開発の過程で、こだわりや苦労した点はありましたか?
一番苦労した点で言うと、アバターのデザインが難しかったですね。
ロボットのアバターは比較的スムーズに決まったのですが、人をモデルにしたアバターがアニメ過ぎても嫌だし、リアルすぎるのは制作が難しいということで、再現可能な範囲でどういうものが可愛いかということを、当社のスタッフとピー・ビーシステムズの担当者さんと頻繁にやり取りをして制作していただきました。
また、当社は住宅会社なので木材の木目をベースにしたメタバース空間の制作をお願いしました。
併せて、利用者が内部で迷子にならないよう空間の造り自体はシンプルに、アバターの操作性も子供から年配の方まで、誰でも使いやすいようにという点にこだわりました。
——当社の提供したメタバースの機能について、特に満足された点はございましたか?
「北九州市SDGsクラブ交流会inメタバース」というイベントの際に、メタバース内で写真を撮影できる機能と撮影スポットを作っていただいたことですね。
メタバースの空間上にカメラマークを作っていただいて、それを押すとスクリーンショットが撮れる機能なのですが、メタバース内で参加者と記念撮影をした際にみなさん大はしゃぎでジャンプされていらっしゃいました。
アバターなので年齢や役職も気にせずはしゃいでおられて、客観的ではなく主観的に参加できるので良かったと思います。
メタバースの利用価値と
今後の取り組み
——DAIEI Metaverseをどのように活用されていますか?
数年前に退職し、現在別のフィールドで活躍している元社員が講師となって、既存従業員たちに学びの機会を提供する社内セミナーを、メタバース空間で開催しました。
講師の方に遠方から来ていただく必要もありませんでしたし、お昼休みに開催したので社員も食事をとりながら気軽に参加することができました。
顔を出さずに参加できるため、社員の心理的な安全性も確保しやすかったと思います。
自分のキャリアについて考える研修だったので、面と向かってだと相談しにくいことも、アバターを通しての相談になるので、比較的質問もしやすかったのでないかと思います。
また、学生さんにとって不動産業界はなかなか身近ではないため、「不動産業界研究会」ということで当社の各部門の方に出演していただき、学生さん向けの企業紹介を全4回開催しました。
インターンシップに来てくださった方もイベントに参加してくださいましたし、このイベントに参加されたことがきっかけで大英産業への就職を検討され、実際に応募された学生さんがいらっしゃいました。
新たな出会いをメタバースで実現でき、十分な活用ができたのではないかと思います。
——今後、どのような目的でDAIEI Metaverseを活用されますか?
採用活動もどんどん早くなっていますし、メタバースは情報収集段階の学生さんと非常に相性が良いと思うので、企業説明会や学校訪問の合間にデジタルの接点を併せながら採用活動にも活かせたらと思っています。
学生さんからしても企業合同説明会に行くと、対面なのでどうしても事前準備が必要でハードルが高いですが、自宅からライトに様々な企業と接点を持てるというのは良いと思うので、今後は他の地元の企業さんにも出演していただいて、合同イベントをしてみてもいいかなと。
その時はぜひ、ピー・ビーシステムズさんにも出演していただきたいです。
また、弊社は九州、山口にお客様がいらっしゃいますので、鹿児島など遠方で来店しづらい場所にお住いのお客様とも会話ができるカスタマーサービスの窓口と、モデルハウスの空間を将来的にはメタバース空間に作りたいと考えています。まだまだアイデアベースですが。
知識の擦り合わせで得た信頼関係と
協同による今後のメタバースの進展に期待
——当社を評価できたポイントは?
もちろんデジタルジャンルにおける知識というのは豊富で助かったのですが、こちらの意見をうまく反映させながら全てを受け入れるわけでもなく、全てを否定するわけでもなく、専門知識がない者と専門知識がある者がお互いの意見を擦り合わせながら一緒に作っている感覚がやっていて非常に楽しかったですし、そこに協同する意味があるんじゃないかな?というのが一番実感したところです。
保守や運用サポートに関しても、こちらが気になったことにはすぐに対応しサポートをしていただけるので、基本的に何事もなく1年間運用できていることが非常に良かったです。
イベント時のトラブルは当社からすると目に見えないので不安にはなるのですが、ピー・ビーシステムズさんならどうにかしてくれるだろうという信頼感もありましたし、不安なく1年過ごせたというのが一番じゃないですかね。
——今後、当社に期待されることは?
やはり、今回作ったメタバースの活用を広げていきたいので、協同できる機会を増やしたいと思っています。
利用者さんが増えると、「そういう選択肢もあるのだな」というヒントや活用の幅もインプットできるので、ピー・ビーシステムズさんにもその機会を増やしていただけると助かります。
これからも、一緒にメタバースの新たな可能性をどんどん見出していきたいですね。
ピー・ビーシステムズ担当スタッフの声
ピー・ビーシステムズ
営業本部 メタバース推進部
ディレクター
山中 能雄 氏