事例紹介 小倉記念病院様
HCI※1の導入で病院内の部門システムを仮想化。
システムの集約により管理・運用の向上を実現。
事例の概要
課題/背景
- 日常のシステム運用をスムーズに行うためには、業務ごとに存在する数々のシステムを集約して一元的に管理する必要があった。
- 医療機関は24時間×365日継続的なサービスを求められるため、システムの追加や変更などの際、業務やサービスの停止が生じないようにしたかった。
- 従来の3Tier※2アーキテクチャで構築された仮想化基盤の限界を感じており、拡張性に優れたHCIを導入したかった。
- 現行システムのメモリが不足していたため、メモリ不足の解消と共に拡張性の高いシステムに変更したかった。
- 納期を含めスピード感のある対応が可能なSIerを探していた。
対策
- システム変更や拡張を無停止で行えるHCI製品のVxRailを導入。
- 部門システムをVxRail上に集約して一元管理。
- 24時間×365日の運用に耐えられるよう保守窓口の整理と明確化を行った。
- 仮想環境の負荷状況に応じ、自動的に仮想マシンの配置を適切に決定・負荷を分散させるvSphere※3を導入。
成果
- VxRailの導入によりシステムの容量拡張がスムーズになり、システムの都合による業務の停止も不要になった。
- 管理画面の一元化で監視対象画面の縮小と安心感が向上した。
- 検証実験が可能なネットワーク環境を作ったことで、システム担当者の運用面での利便性が向上した。
- 夜間休日の対応も含めて、24時間×365日の運用に困らない保守の仕組みが構築できた。
※1 HCI(ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ)とは、サーバー仮想化を実現するために必要な機能をオールインワンでまとめた製品。
1台でサーバー・ストレージ・ネットワーク・ソフトウェアすべての機能を担っている。
※2 3Tierとは仮想化基盤を構成するハードウェアである「物理サーバー」、「SAN」(Storage Area Network)、「共有ストレージ装置」による3層構成のシステム。
※3 vSphereとは1台の物理マシンのコンピューティング、ネットワーク、およびストレージの各リソースを複数の仮想マシンで共有できる製品。
導入ソリューション・システム概要
VxRailを用いて、病院内の部門システムを仮想化。
保守面では平日日中時と夜間休日時の対応窓口を明確にすることで、24時間×365日困らないようなサポートの仕組みを構築した。
事例の詳細
お客様の声
小倉記念病院 情報システム課
課長 福地 誠 氏(写真 左)
主任 津口 正勝 氏(写真 中央)
師岡 誠太 氏(写真 右)
現行システムの管理・運用面での不安
HCIへの期待
小倉記念病院様では大小様々な部門システムを運用しています。
「以前、当院では物理サーバーの仮想化の需要が増えてきたため、3Tierを導入し仮想サーバーを増設しましたが、現在はメモリが不足している状態になっていました。3Tierでメモリを増設する場合サーバーを止めなければならず、サーバーの停止なしでメモリの増設が可能なシステムに変更したいと考えていました。併せて、保守も含めて今より安心して使える環境を作り、一部の部門システムを移設しておくのがベストだと思ったのです。」と情報システム課 課長の福地氏は当時の状況をこのように話します。
また、同課主任の津口氏は「同時期にHCIの話を耳にし、増設のしやすさに魅力感じ導入を検討していました。色々なSIerと会話し検討する中で、技術力と確かな実力のあるSIerにお願いしてみたいという想いが強くなっていたのです。」と話します。
知識と経験を活かしたスピード感のある対応
保守サポート体制の実現
ピー・ビーシステムズからは、VxRailとvSphereを用いてメモリなどシステムの容量拡張と運用の効率化を実現できるプランを提案。
Dell Technologiesのゴールドパートナーである強みを活かし、納期面での課題もクリアした。
「HCIの導入にあたり複数の会社に依頼をしましたが、こちらのスケジュールに合う納期を提示してくれたSIerはいなかったですね。」(津口氏)
また、同課課長の福地氏は、保守サポート部分について「病院のシステムが止まることはありえないこと。24時間×365日の保守サポートが必要不可欠ですが、納得のできる回答をしてくれた会社はいなかった。唯一、可能・不可能な範囲を明確に提示し、こちらの条件を実現させるために努力をしてくれたのはピー・ビーシステムズさんだけでした。」と語られた。
津口氏は、病院側が伝えた要望や要件に対して、真摯に提案してもらえたことも選択のポイントだったと語る。
「医療業界はITに詳しい担当者が少ない。メーカーは自社製品の知識は豊富だが他社製品の知識が弱かった。ピー・ビーシステムズさんは他社製品の知識も豊富で比較ができたうえ、メーカーより技術力も高かったです。」
また、常にクライアントの目線で対応してくれた点も選定理由のひとつだったようだ。
「質問したことをうやむやにせず、持ち帰ってでも返答してくれた。必要な情報を欲しいと思ったときに提供してくれたところも決め手でしたね。」(津口氏)
システムの管理・運用にかかる人的負荷を軽減
ネットワーク面での活躍も期待
実際の成果は1年後になるところだが、管理運用面ではすでに効果が出ている。
「我々がこれまでに使用してきた管理ツールよりも管理画面が本当に見やすい。1画面だけを意識してチェックしておけば、各システムの状況やリソース情報は全て把握できるので各段に作業効率も安心感も向上しました。」と同課の師岡氏。
また、師岡氏は検証実験ができるリソース環境にも着目した。
「VxRailの中でどこにもつながらない閉じたネットワークを作っていただけたことが私的には一番嬉しかったですね。一見必要のない機能と思われがちですが、運営側からするとこの機能があるだけで安心して増築などの検証ができます。その点に気づき提案していただけたことは驚きでしたね。さすが技術者集団と謳っているだけのことはあります。」
成果の部分ではないが、全体のスピード感・技術力・手厚さには驚いたという。
「要件提示から見積書の提出が圧倒的に早かったですし、納品まで全て予定通りにやってくれました。今までメーカーの都合で延期されることが日常茶飯事で、正直ここまで予定通りに進めてくれたSIerは珍しい。時間の無駄を一切感じなかったですね。」
利用者側への技術支援がサービスに含まれていたことにも着目されていた。
「今まで契約時の説明が不十分で突然その部分は病院さんでということが多々あったが、ピー・ビーシステムズさんは説明~段取り~作業まで一括して担当者が対応してくれました。最初から最後まで病院側が手放しでできた点が一番嬉しかったですね。」(津口氏)
今後はネットワーク絡みでの参入も期待していると津口氏。
「医療業界はネットワーク絡みが1社依存状態です。同業者の中でも偏りすぎているという意見がある。逆にピー・ビーシステムズさんのようなSIerとやりとりをすることで、業界特有の縛りに囚われないオープンな形に持っていけると良いですね。今後もピー・ビーシステムズさんにも競合で入ってもらいたい。」と今後の活躍にも期待されていた。
ピー・ビーシステムズ担当スタッフの声
ピー・ビーシステムズ
営業本部 営業部
徳永 有紀 氏